2022.03.19 カテゴリー:市川ホットタイム
ダンスを始めたばかりの方や、ダンスをしたことがない方が、
「音感がなくて踊れる自信がない」
「運動神経がないから、運動自体が苦手」
と仰るのをよく耳にします。
確かに、社交ダンスも含めた”芸術スポーツ”では音楽を聴いて身体動かすわけですから、ある程度の”音感”や”運動能力”が必要なことは否定しません。
では今現在ダンスをされている方が、はじめから絶対音感や優れた運動神経の持ち主だったかというと、それは誤解です。
むしろ、ダンスを通じて後天的に音感や運動能力を身につけられたから、ダンスが踊れるようになった方のほうが圧倒的に多いのです。
なんだか「鶏と卵」のような話ですが、「音感や運動神経がないからダンスなんて……」→「”芸術スポーツ”への抵抗感」→「なかなか音感も運動神経も身につかない」という一種のループになっている気がします。
更に言うと、”音感”や”運動神経”を身につけなくてもダンスを「楽しむ」ことは十二分にできます。
ここが、重要なポイントです。
”音感”や”運動能力”が必要なのは、あくまで「見栄え良く踊りたい」もしくは「もっと技能的に上手くなりたい」場合の話です。これも立派な目的の一つではあるのですが、こういった技術的な要素は、ダンスの持つ側面の一部でしかありません。
「楽しむ」ことを目的とするのであれば、そこには”音感”や”運動神経”といった「縛り」は全くないのです。
知っている人や大切な人、時には全然知らない人とも手をつないで踊る。日常では決して起こり得ないような、濃厚な人間同士のコミュニケーションが社交ダンスにはあります。
こういった非日常な体験に、文字通り「ココロを踊らせる」ことが醍醐味とも言えるでしょう。
「ダンスを上手になること」と「ダンスを楽しむこと」。
どちらも大切な目的であり、また、どちらを選択するかは踊る方の自由です。ただ、いちダンス愛好家としては、どちらの目的に捉われるともなくチャレンジして頂ければと思います。
結局、何かに集中している自分自身を楽しむことが一番大切なことです。